網膜動脈閉塞症
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網膜動脈閉塞症とは、網膜に血液を送っている動脈が詰まり、網膜の細胞への血流が途絶えてしまう目の病気です。
網膜の動脈は、眼球の後方にある視神経内を通り、視神経乳頭で枝分かれして網膜全体に広がっています。動脈が詰まると網膜には血液が流れなくなり、1~2時間で網膜は壊死してしまいます。 主に片眼に起こります。網膜動脈が閉塞する原因は大きく分けると3つあります。
- 網膜動脈に動脈硬化が起きていて閉塞してしまうタイプ
- 網膜動脈よりも心臓に近い部位の血管に動脈硬化がおきていて、何かの拍子にその血管内の血液や脂肪の固まりが血管内壁から剥がれ、網膜動脈内に付着するタイプ2
- 網膜動脈に炎症や痙攣が起きる、あるいは血液成分や血流に変化が起きて起こるタイプ
いずれも、心臓の病気や頚動脈の狭窄・閉塞、動脈硬化などとの関連が深いといえます。これらを招きやすい糖尿病や高血圧、たばこを吸う人は網膜動脈閉塞症の危険性が高いといえます。
種類
網膜動脈閉塞症には、心臓により近い側の網膜中心動脈が閉塞するタイプと、網膜動脈の一部分が閉塞するタイプの2種類があります。
- 網膜の中心動脈が閉塞するもの → 網膜中心動脈閉塞
- 網膜動脈の一部分が閉塞するもの → 網膜動脈分枝閉塞
症状
網膜中心動脈閉塞
中心動脈が閉塞すると、網膜全体が血液の届かない虚血状態になってしまい、視力は急激に低下し、矯正視力で0.1以下にまで低下してしまいます。
網膜動脈分枝閉塞
血液が詰まった先の網膜以外は正常に機能します。障害部位に相当する視野がかけます。
視力は、黄斑が正常であれば、低下することはありません。
検査
眼底検査
瞳孔に光を入れて、検眼鏡で眼底を観察します。
蛍光眼底造影
網膜の血管のつまりや漏れなどがわかります。
視野検査
見える範囲を調べます。
治療
網膜の神経細胞が虚血状態に耐えられる時間は長くても1時間ほどしかなく、その時間内に治療を行わなければ、高度の視力障害が残ってしまいます。そのため、出来る限り早期治療が重要となります。
高圧酸素療法
圧力の高い部屋(高気圧治療装置)で100%酸素を吸入し、全身に酸素を供給する療法です。血流障害による組織の低酸素状態を改善します。